生体組織(皮膚、骨、肺、血管など)におけるコラーゲン繊維の配向と運動機能
(1)マイクロ波を用いて分子や繊維の配向分布を非接触で迅速に測定できるマイクロ波方式を世界に先駆けて見出し(S. Osaki, Polym. J., 19, 821 (1987), Nature, 347, 132 (1990))、測定理論を提出し(S. Osaki, Rev. Sci. Instrum., 68, 2518 (1997))、測定装置を開発した(特許等)。そして、フィルムや不織布、紙などの配向分布の測定に適用。
(2)マイクロ波方式を用いて、ヒトの血管、骨、肺、牛革、コブラ革などの生体組織においてコラーゲン線維(繊維)の配向測定を可能にし(S. Osaki,
Nature, 347, 132 (1990))、配向分布という考え方を生体組織に初めて導入した。その結果、コラーゲンの配向分布が皮膚の伸び縮み(S. Osaki, Anat. Rec., 254, 147 (1999))や骨に加わる応力(S. Osaki et al., Anat. Rec., 266, 103 (2002))などを極めて合理的に説明でき、生体の運動機能や老化と密接に関係していることがわかってきた。一方、皮膚の毛穴の形状から皮膚におけるコラーゲン線維の配向性を計測できる科学的方法を見出し(S.
Osaki, Anat. Rec., 263, 161 (2001))、コラーゲン線維の配向性のマッチングという科学的根拠に基づいた皮膚移植法を提案。
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