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研究内容RESEARCH

蛋白質の結晶構造解析




 タンパク質の機能を調べるためには、生化学的なデータと合わせて、構造を知ることが重要になります。構造を解明することによって、タンパク質の機能がどのように発現されているかを原子レベルでの挙動として知ることができます。その手段として最も適した方法の一つがX線結晶構造解析です。
 X線は波長100〜0.01Åの電磁波です。これを物質に当てると、多くはそのまま物質を突き抜けていきますが、一部は吸収されたり、原子核の周りの電子によって散乱されたりします。この散乱されたX線を観測することにより、物質の中の電子の分布、すなわち物質の三次元構造を知る手法がX線解析です。X線は波の性質を持っているので、電子によって散乱されたX線は回折現象を起こします。回折はBraggの回折条件の式、nλ=2dsinθで表されます。ここで、λ: X線の波長、d; 格子面の間隔、θ: 入射角度です。原子間隔は炭素−炭素の一重結合が1.54Åですので、Braggの式から考えて、波長1Å程度のX線を使用すると、タンパク質分子を見ることができます。しかし、原子一個の電子からの散乱は弱すぎて観測できないので、タンパク質を結晶化し、三次元的に規則正しく並べたものにX線を照射して多数のシャープな回折点像を収集し、計算により構造情報を求めます。
 現在、@酵母由来のイソマルターゼにおける基質特異性の決定機構の解明、ATypeIII glycogen storage diseaseの原因酵素であるglycogen debranching enzymeの構造解析、という二つのテーマで研究を進めています。



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